石英多結晶透明体(ガラス)の成形技術を開発
   (SiO2 Glass:酸化シリコンガラスの成形)
近年、光学系機器、バイオ系機器の開発現場において、
サファイアより安く従来のガラスより強い材料、透明体の
開発要求が強まっております。
弊社はこれらのニーズに対応すべく調査研究を進めて参りましたが、
このたび「石英(SiO2)の多結晶透明体の成型技術」の開発に成功いたし
ました。
  現在は、用途開発の段階に入っており、各分野の企業にニーズを
お寄せいただいております。


                         栄商金属株式会社  営業開発部

成型SiO2多結晶透明体の特徴
(仮称:SiO2MCガラス・モールディング)

(1)光透過率が高い

  高温環境の光学系で最高品質とされるサファイアの透過率は90%程度である。
  当、「SiO2 Glass」は波長200nmの光源で約90%を超える透過率を達成し、
  600nm〜2,000nmの領域で99%の透過率を達成した。


(2)高いビッカース硬度

  760〜800マイクロビッカース(Hv) の高水準の硬度を達成。
  通常、レンズなどに傷を付けると言われる、天然石英のチリ。
  これに対抗できる表面硬度は600マイクロビッカース以上が
  必要といわれる。
  1,500Hv以上の単結晶サファイアなどには敵わないが
  500Hv程度の非晶質ガラス(BK7;ホウケイ酸ガラスやソーダライムガラス)の
  弱点をクリアーした。

(3)成形技術確立によるコストパフォーマンスの高さ

  従来の単結晶の人工サファイアや単結晶の人工水晶は、研磨工程の前に
  板状ブロックから削り出しと云う工程を取る為、高価なものになっていた。
  今回の石英ガラス成形法により製作したブランクは、削り出しという工程を
  取り除くことが出来るので、研磨のみで最終製品へ移行できる。
  つまりニアネット・シェイプであるためにコストパフォーマンスが高い。

(4)表面処理法との相性の良さ。
  プロジェクターなどに使用される熱吸収板の場合、表面にSiO2と
  Ti02等のAR膜(蒸着膜)を積層していきますが、当素材はSiO2
  酸化物なので生成膜との密着性が良い。