Capillary

毛細管

キャピラリーチューブと言うと、光通信のファイバー同士のコネクトのガイドとして使われたり、バイオ系の各種液剤の注入パイプとして使われたり、半導体のボンティングワイヤーのガイドとして使われるイメージがある。

そもそも極細のパイプというのは、特注品のものが多く金属のパイプでは注射バリのモネルという材質から始まったと聞く。
金属の延展性を利用したものでは、シームレスパイプ。セミシームレスパイプなどの工法で、金・白金・銀・チタン・ステンレス・銅・アルミなどがある。
最近有名な、テルモと岡野工業の「無痛針」はプレス方式によるものである。
最近のニーズとしてバイオ系の引き合いが多く、触媒用の白金キャピラリーでφ0.6程度のものや金の外径φ0.2内径φ0.1などと言うのも出てきて、軟らかくて後の仕上げ加工に苦労させられる。

一方、絶縁性を求められるキャピラリーとしてセラミクス・石英・ポリイミドのチューブがある。これらの極細チューブは成形法や押し出し法によるものが多い。
金属では耐えられない、耐薬品性のチューブとしてもこの種の工法のものが利用される

その他、金属以外のキャピラリーで導電性が求められる分野に、金属ガラスチューブ・導電性セラミクスチューブなどの技術開発・用途開発が進められている。


これら極細管は機械的に弱い部分や二次形状の加工が難しいという難点がある。
ここで役立っているのが、微細加工技術でありハイテク分野ではYAGレーザーということになるのだが、ローテク技術の中の安価で優れた技術が見直されている。


写真左は、外径φ1.0の真鍮パイプにφ0.4の横穴を放射状に空けた物。
写真下は、ステンレスの2段パイプで左側の太いパイプφ0.3に右側の細いパイプ外径φ0.12内径φ0.03を装着したもの。