このページは弊社の「発掘員が掘り出した技術」や
日々の活動の中から感じた「物づくり」に関する
感想・コメントを掲示いたします。
野に埋もれている「原石」のようなスグレモノの技術が
お客様のニーズに磨かれて
光り輝くことが
喜びです。


TitleDate

◆セグメントDLCに高機能ものづくりを目指す日本を見た!08,10,30

◆話題の亀山工場を見た!!06,07,01

◆中小企業は環境問題に、どう対応する06,03,25

◆特殊パイプ・極細パイプのニーズ高まる05,12,19

◆中古計測マシンのご紹介システム
05,04,01

◆お〜ing!ニッポンの活動に期待
03,12,02

◆マイクロマシンはやはり時計技術から
02,08,26

◆「ものづくり」は「知恵」を再認識!
02,05,15
◆真空樹脂注型で試作のイメージが完成。
01,08,19

◆最新プレス技術講習会を開催
01,01,30

◆東京産業交流展2000に、21世紀への “原石”が在った。  
00,11,12

◆時計の加工技術が、ITの基礎部品を支える。
00,10,21











TitleCommentDate




環境と高機能DLCに、+αの新技術
S−DLC
セグメントタイプ・ダイヤモンド・ライク・カーボン


関連記事


S−DLCに高機能ものづくりを
   目指す日本を見た!

軽薄短小のものづくりの世界では日本の活躍する場面が少なくなってきたと感じるのは私だけだろうか?
日本の高品質のものづくりを維持発展させるためにも、新技術を応用した新商品開発を絶え間なく続けることであり、これらの試作の経験値がものづくりのノウハウとなり日本の中小ものづくり企業の底力を上げていく。
これが、京浜工業地帯の大手企業のパートナーとして生きてきた大田区の中小工場を観てきた私の思いである。

 目先の利益に終始する大手企業はコスト面から見た過剰品質を嫌い、中国でも出来る図面を描けと技術者にノルマを与える。
これに嫌気が差し転職していく大手企業の技術者、中小工場経営者は新たな「チャレンジ・パートナー」を求めなければならなかった。
ここに登場したのが、行政の進める「産学連携」である。
大学の「知恵」の、大手が取りこぼしたものを中小企業に公開し花咲かせようというものだ。
中小の財力ではなかなか難しいという意見もあるが、ここにきて中小工場の「ものづくり」の技術力が、技術的難題を見事に解決して成功すると言う事例が現れつつあると、大学のTLO担当者は言う。

今日紹介する、東工大発ベンチャー企業「iMott社」のS−DLCも成功への道を進みつつある。
従来のDLCの機能を数十倍高める工夫をしたことにより、信頼性が飛躍的に向上。
これにより従来コスト高と言われた、この処理方法が生き返ってきた。
さらに、安全性・信頼性・環境コストという新境地に入り込んだ先進国のニーズが、S−DLCの期待度を高めている。
国内や米国での学会発表でもNo.1の表彰を受けることが多くなり、国内の大手企業、各界のシェアNo.1企業からの問い合わせや共同開発の誘いも増えている。
自動車・工作機械・電機・電子機器・民生・医療機器・樹脂メーカーとジャンルが広い。

特に私が感心したのはS−DLCを効率的に達成するために今回の設備に新規導入した直流パルス方式の技術である。
この技術により、耐熱温度の低い樹脂などの世界にも応用を広めたことだ。
今までDLCと言うと、硬い金属に更に硬いコーティングをして耐久性をあげるものと考えられていた。
ベース素材として量産性の高い樹脂製品を活用できることで、コストパフォーマンスを上げることができることと、なんといっても軽量化のメリットが環境コストに貢献すると見られている。

弊社は、このS−DLCの知的所有権を確保した「iMott社」の販売代理店に手を上げさせていただいた。
2008,10,30


話題の亀山工場
を見た!!


亀山工場を見た!!

先般、機会があってS社の亀山工場を見学させていただいた。
いろいろ工場見学をさせていただいたことがあるが、亀山工場の
スケールの大きさに感嘆させられた。
スケールの大きさとは、規模の大きさではない。
発想の大きさと先見性に、驚愕させられた。

見学する前は、「亀山とは、ものづくりの国内回帰、地域ブランドの象徴」と捉えていた。
しかし、亀山はそんな「ほんのり」した物ではなかった。
科学とビジネスの極めつけのプロジェクトと感じた。
KeyWordは、

●自立
●隔離
●選択

と言ったところだろう。
半端な企業がもがいても到達できない、新しいものづくり国
「亀山国」を見た。

◆自立:環境との調和、水や電気などのインフラの自立。
     落雷時の電圧変動に対応した、超伝導蓄電器の話には、鳥肌が立った。
◆隔離:情報の隔離。生産ラインのノウハウを社外・外国に漏らさない。
     競争力の維持のためには、不必要な人間に情報を見させない。
     徹底したセキュリティーで競争力を維持する。
     セキュリティーの為には、遠回りのラインを敢えて敷く。
◆選択:大型TFTに特化したラインで他社を圧倒する歩留まり。

もちろん技術力は、驚き。
今までの液晶の注入技術を聞きながら、ア〜!「真空注型だな」と分かった顔をしていたが
大画面液晶の場合、計量点滴方式とでも言うのだろうか、ガラス表面の凹凸量を計量して
液晶の滴下量を決めているとのこと。
この滴下のマトリクスで大画面を覆っているのだそうだ。

とにかく、驚く技術情報との出会いだった。
メモも取らず聞いた、一言一句が一ヶ月たっても頭彼消えないほど、鮮烈な「亀山」であった。
今度は大田区に「亀山国」を作って欲しい。
私の町、「下丸子」に作って欲しいと思った。

この新しい「ものづくり国」の中で、中小企業はどう生き抜いていくのかが、
ものづくりプランナーとしての私の課題となる。
2006,07,01

中小企業は環境問題
にどう対応する?






関連情報へ


関連記事

欧州連合(EU)の環境規制

 
環境問題に中小ものづくり企業が対面したのは、取引先である上場企業のグリーン調達活動が始まりと言われております。
この活動も現在では、RoHSなどの法規制をクリアーするためのものとなっています。
大手セットメーカーはEUにおける商権を守るために、要求される環境基準などを満たした部材を供給する「信頼できるサプライヤー」としか取引しない傾向が出始めており、現在は一次下請けまでの波及ですが、今後二次三次下請けまで波及していくものと考えられています。
 このようなものづくり環境下で、試作ロット・小ロットなどの突発的取引を想定してみますと、現在考えられている「ものづくりのルーチンの中に不適合物質を存在させない。」といった管理方法では、環境問題に対応出来ない企業が数多く出てくると言われております。
例えば、NC機の上をいく精度を汎用機を使った職人技で極めていくといった世界に、環境対応が取れない工場が多いことも問題となり始めている。
 この問題を解決するためには、ルーチンもさることながら納入する部品そのものが「不適合物質の含有が基準値以下である。」というデーターシートをつけることしかないとの判断が、受け入れ企業側(セットメーカー)に広がりつつあります。
 
弊社は、本年6月よりWEEE/RoHS&ELVに対応したスクリーニング(検査)の代行検査サービスをスタートいたします。
町工場の高い技術は必要だが、企業防衛を考えると 「買えない」 「売れない」とお悩みのご担当者の方々、どうぞ弊社の環境検査事業部へご相談ください。
「ルーチン管理ではなく現物管理で、安心の品質と企業防衛」を提案いたします。

2006,03,25

特殊パイプ・極細
パイプのニーズ高まる
バイオ系を目指す方たちから、困ったという相談を受けるのが特殊金属のパイプそれも極細パイプである。
最近相談を受けたのは、金の極細パイプでサイズは外径φ0.2で内径φ0.1のものである。長さが100mmを越えるこのパイプの工法としては、引き抜き法を使うしかない。
この引き抜き法も、元の太い系のパイプを作らなくてはならない。
どのように作るかというと、
1.金の板を買ってくる。
2.金の板からホり工法で湯飲み茶碗を作る。
3.茶碗の底の部分を切り取り、太い寸胴パイプを作る。
4.この太くて短いパイプをダイスで細く細く曳き落としていく。
5.曳き落とす過程で加工硬化したら熱処理をして軟らかくして、また曳き落としていく。
気の遠くなる工程だ。まさに職人芸の仕事である。
 バイオ関連のテーマが多くなったので、金・白金・チタンなどといった特殊金属の依頼が多くなった。

一方、絶縁の極細チューブが欲しいと言われてことがある。
絶縁チューブの金属素材の細穴の中を通したい。ピンと張って腰のある絶縁チューブが欲しい。
これに適したチューブは、ポリイミドチューブだと答えサンプルを取り寄せてあげた。
10年間さがしても見つからなかったとの感涙のコメント。
開発メーカーから、20年前に市場開拓をして欲しいと言われ数社の顧客を開発したがなかなか壺にはまるユーザーの出なかった商品だ。内径φ0.125で肉厚0.04が極細。
 
絶縁チューブで光やレーザーを通して耐久性のあるチューブ、キャピラリーが欲しいと来たときには、SIO2の石英チューブを薦めている。
通常のガラス系のチューブではレーザー光の波長を反射してしまい透過することが出来ないからだ。

なにはともあれ、極細チューブというテーマにこれからの注視していこうと考え
「Capillary」のコーナーを作った。
2005,
12,19

中古計測マシンの
紹介システム
日本のものづくりの生き残り策として、精密加工や微細加工などの高付加価値加工を推奨し、その一環として三次元測定の普及を目指しております栄商グループでは、測定の頻度の高いお客様に、「自社で測定器を購入され、測定員を要請していくことが企業成長に繋がる。」とアドバイスさせていただいております。
過去にこの様なお客様から「新品は買えないが、中古品があれば買ってみたい。
紹介してもらえないだろうか?」とご相談を受けました。
幸い弊社が測定器を購入している商社が、買い替えで中古品を売りたがっている
客先を持っており、上手く紹介することが出来ました。
この時、経験したことは中古計測器に関しては、購入してからの「調整・教育」という
業務が伴うので、測定器を専門に扱っている商社を仲介に立てないと購入した企業が苦労をすると言うことです。

三次元測定機などの測定器はめったに市場に出てきません。
出てくる商品の多くは、大手企業の買い替えによる放出の場合が多いと感じています。
この様なマシンは、今までの使用環境も良く。使用頻度も稀であったために良質の中古マシンとして2〜3日の内に売れ先が決まってしまいます。
 したがって、中古マシンのリストとしてホームページにアップする前に売れ先が決
まってしまうのが現実です。

この様に緊急性を要する取引の為、弊社からのご案内はメーリングリスト方式で情報提供いたします。
中古の三次元測定機を探していらっしゃる方は、下記項目をご記入を頂き、当方へメールを送ってください。当方からの出物情報をお送りいたします。
情報提供に関する、費用は無料です。
計測器商社から入ってくる情報を随時ご提供いたします。

「中古マシン情報希望」

1.ご希望のマシン(三次元測定機、真円度測定器など)
2.対象測定物の大きさ(400×500×350以下など)
3.希望の日時(2〜3ヶ月中に。至急。など)
4.予算の範囲
5.貴社名、ご担当者、お電話。
6.ご担当者のE-mailアドレス。

    メールの送付先


以上。
2005,
04,01

お〜ing!ニッポン
の活動に期待
弊社社長が代表幹事を務める「お〜ing!ニッポン」の幹事会を訪問させて頂きました。
今年の2月にスタートしたお〜ingの活動は、3年ほど前から弊社で行われていた
「ものづくり勉強会」(当時、知ろう会)が名前を変えて新規スタートしたとのことです。
新聞や雑誌テレビなどで紹介され、社長は何時も忙しそうに深夜まで働いています。
 毎週月曜日の夜に行われている幹事会とのことですが、今回は先週テレビで放映された大田区の女性ものづくりで有名な岩淵さん親子と、雑誌の取材記者、そしてお〜ing!ニッポンのメンバー8名がいらっしゃいました。
取材はお〜ing!ニッポンと岩淵さんのテーマ「ものづくりはアート」とのかかわり方やそれぞれのグループの特徴などについて質問がされていました。
その後は、開発受託したテーマの進捗動向などについてミーティングが行われ、気が付いたら深夜11時近くなっていました。
 一晩、見学させていただいて感心したことは、メンバーの方々は皆昼間忙しい小企業の経営者の人たちです。その方達がこんな深夜まで真剣に討議しているということです。
よく雑誌や新聞の記事でいろいろな町興しグループを「飲みにけーしょん」で活発な議論など書いてあるのを、疑問に思っていました。
お〜ing!ニッポンの幹事の方々は、少年のように輝いた目で「ものづくり」について討議しています。
このような会議を毎週、9割近い出席率で行っているというのも驚きでした。
きっと、この情熱で活動は成功するだろうと感じました。
社長、皆様、お疲れ様でした。
                                                m.s
2003,
12,02

マイクロマシンは
やはり時計技術から
先日、東北の時計工場を視察してきました。
このメーカーさんは、最近のテーマで協力していただくことが多く、私自身も一度
工程を確認しておく必要があると判断して訪問してきました。
弊社のインストラクターの当面のテーマに対する進捗状況・問題点等の会議の後
工場を見てびっくり。
わたしも、国内有数のブランドメーカー(カメラであったりコンピューター・光デバイス
・工業計器・プリンターなど)の工場を数多く見てきましたが、日本の量産加工技術
の集積そのものがこの工場の中に全てあるのではと思ったほどです。
旋盤(カム・NC・自動)、フライス(専用機・MC)、プレス(順送機)、モールド成形
(縦型インサート・横型)、ヘッダー加工、転造加工、メッキ工場、プリント基板(一般・FPC)工場カスタマIC組み立て、自動組み立てライン、などなど各30台〜40台
規模でひしめいている。
これに其々の金型工場、冶具工場が付いているのだからその規模たるは想像して
欲しい。
ただ、加工対象となるのが腕時計の大きさ以内という条件が付く。
 この高い技術集積が技術立国日本を支えてきたのだと痛感する一方、時計という商品の製造は既に海外に展開していることを思い、胸が痛くなってしまった。
このままでは、この技術集積が「消えてしまう」。
 最近弊社がお世話になっている、バイオ関連やナノテク関連のマイクロパーツの加工だけでは、これだけのキャパや集積を生かせない。
マイクロロボットのような、アッセンブリ品までコンサルティングして始めてこのライン
が生きる日本が生き残れると強く感じました。
                                      by S.M
2002,
08,26

「ものづくり」は「知恵」
を再認識!
ピース機工会主催 今求められる「匠のたくらみ」に出席して 5月12日(日)に蒲田のプラザ-ア☆ペアにて多数の著書やTV出演等 (詳細は欄外)で知られている赤池 学氏を講師として招き、物づくり の可能性をテーマに日本の匠に携わっている人々が最先端の技術を利用 してどの様な製品を作り挙げているのか?を大田区の技術屋さんで創ら れた会にゲストとして出席してきました。 ☆ドル箱企業になる為のキーワードは? 今大田区にあるジオサーチ(※1)と言う企業は道路の下の穴や間隙を 探査するシステムや、それを搭載した調査車両を作っています。この 会社の穴を探す技術を活かして地雷を探す装置を開発しました。それが 今カンボジア他で地雷の除去として活躍しています。 この活動は、JAHDSと呼ばれる(人道目的の地雷除去支援の会) というNPOの組織が行っています。メインの探査装置はジオサーチさん が作っていますが、その他のシステムはNPOに参加するさまざまな製造 業者が提供しています。例えばシャープは液晶デスプレイを、ソニーは 地雷地帯のデジタルマップシステムを、道なき道を行く為に水陸両用の 特殊改造車をトヨタがと、、、 これからはNPOの中にも同様の物づくりや研究開発を行う組織が台頭して くると思います。あるいはNPOを作らなくても同様の使命感に基づく物づ くりが実現可能なはずだと思います。 又大田区の篠塚製作所さんではレーザーを利用した三次元成形加工を 行っています。そしてこの会社で開発した装置とこの会社の技術者を 「お客様の第2の実験室」と名付けて顧客に提供しています。それも無料 で貸すのではなく1時間40万円のお金で人材や装置を使わせています。 この他にも何社かの成功例を教えてもらいました。(欄外を見てください) 現在、厳しい製造業環境の中で過去のOnlyOne事業のみに頼らず 新規の技術開発にチャレンジする匠の会社が残る企業、消える企業の分か れ道だと思います。これからの企業は積極的に自社技術、技能、顧客、 そしてネットワークを活用するべきだと感じます。そしてその「匠のたく らみ」がいかに果たされたのかを探るとき、そこには参画や連携に基づく 新しい物づくりモデルの可能性を探る事が求められている様に思うのです。 注※1ジオ・サーチ株式会社 www.geosearch.co.jp/outline/oldsite-index.html                ◆ 多種企業の開発した新技術例  1 安久工機・・・人工心臓の弁とそれを形にする金型の開発、設計、    製造を、わずか5人の社員で成し遂げる。今では世界も注目するほ どの会社となる。  2 三和研磨工業・・・本業は砥石屋で、研磨の技術を活かしてコンク    リート床鏡面加工(スーパーフロアシステム)を開発。これに目を つけた企業が工場の床及び施設に利用したところ作業性、生産性が 向上し今では多くの企業から(ゼネコン、ユニバーサルスタジオ、 トヨタ他・・・)依頼殺到  3 名古屋メッキ工業・・・あるお客さんの依頼で「ハーレーを自分 専用の色のカラーメッキして!」と頼まれて製作したところ、この 会社の社長がこれは商売になるのではないかとバイク、車業界に 「あなたのハーレー、ベンツをあなた色にしませんか?」とPRし たところ諸外国からかなりの製作依頼が舞いこみ現在も何ヶ月待ち の大盛況である。  4 セラリカNODA・・・養蜂で蜂蜜を絞って残った蜂の巣の粕を、    食品にコーティングする食品ロウに作り変える(CD、インク、 チョコレートなどに使う)    その他にも害虫であるカイガラムシの殻をも、食品コーティングの    材料に開発する。現在蚕の繭から取れるシルクをコンタクトレンズ    (目にやさしい)、化粧品(紫外線防御)食品添加物(肝脂肪、高脂 血症の改善)を開発中。  5 メルセデスベンツ・・・東南アジアの工場で熱帯に生息する植物の    繊維から車内パーツを作る手法を開発。(天然素材再利用)  6 ミノルタ・・・2〜3日前にカシオより同じようなデジカメが発売 されたが、 ミノルタで開発されたDIMAGEX(世界最小、 軽量、)は薄さなんと、2センチの厚さ!!しかもx3のズーム付! ◆ ミノルタ開発物語に学ぶものは・・・ 最近発売されたズーム式デジタルカメラ DIMAGEX の開発にも、 すばらしい物語がありました。 この製品は、3倍ズーム機能を持ったデジカメとしては世界最小の大き さで、MDのサイズの横幅わずかに2センチです。 1999年10月開発担当役員が、若い技術者に、「とにかくカメラと思え ないカメラを作ってくれと。それも世界最小のカメラにしろ」と司令を発し ました。 それを受けて2ヶ月間、中島さんという若い技術者が企画をし、クリスマス にプレゼンを行いました。 コンセプトは、「会社でも、家でも、アフターファイブでも使える、いつ でも持ち歩けて、持っている事さえ忘れてしまうカメラ」でした。 当初薄いカメラをどの様にして作るか?最初に発想したのは、潜望鏡タイプ のカメラだったそうです。ところが、横の写真は取れても縦位置の写真が 撮りにくい、では立ててみる。そうしたら、今度はレンズが上を向いてし まう。 それならばとレンズを折り曲げてやれという発想が、成功に繋がりました。 光をプリズムで45度に曲げカメラの内部でレンズをズーミングするという 画期的な発想でした。 しかし、実はここからが開発の正念場となりました。設計者は光学系の設計 は出来ますが、設計図どおりにレンズを本体に正確に保持させるのか、その 精密な金型をどうやって作ったらいいか、光学設計どおりに動かない接着剤 をどうやって開発したらいいのか、といった課題に次々と取り組んでいった そうです。 紫外線で固まる接着剤、可視光で固まる接着剤、それらを加工する温度を 変えて実験しようとすると、その組み合わせは気が遠くなる様な数です。 中島さんは接着剤のプロ(お爺さんだったそうです)を、ミノルタの全国の 工場を駆け回って探し出し、そのエキスパートの指導を受けながら、ようや くレンズをきっちり保持させる接着剤を開発し、製品が形になりました。 そして今では、全国のビックカメラで売上No1を記録するカメラとなりま した。 この様に企業の事例を調べてみると意外なところに物づくりのヒントが隠さ れているのではないでしょうか。                               by AK
2002,
05,15

真空樹脂注型で
試作のイメージが
完成。
かねてから、見たいと思っていた「真空樹脂注型」の工程を見学した。
「真空樹脂注型」というのは、マスターモデル一個から多数のコピーを
樹脂で作ろうという技術である。
 樹脂のモデルを作る技術としては「光造形」がある。普及してだいぶ
安くなったが、まだまだ。
小学校のときに作った、立体地図。あの等高線の段差・縞模様が光造
形にはある。デジタル形状になってしまうのだ。
デザイナーが求めるのは、人間工学てきなアナログ形状である。
こんなとき、お役立ちするのが「樹脂注型」である。
将来、モールド金型を作って量産を目指す部品の試作に最適である
 この工程を見ながら、金属の場合はラバーキャストだなと思った。
マスターをゴム型にとって、溶湯化した材料を流し込む。
樹脂注型と同じだ。違いは、成形圧力を何に求めるかである。
樹脂注型の場合、真空状態の環境から密閉を開放するときに生じる
圧力を利用している。
金属のラバーキャストの場合、ディスクを回転させた遠心力を利用し
ている。

 樹脂の場合、金属の場合のゴム型を使ったモデルつくりのイメージ
が完結した。ちかじか「気になる技術新聞」に投稿しよう!
2001,
08,19

最新プレス技術
講習会を開催
21世紀のコンサルティング始め第一弾として、1月17日に富士通殿
で、「最新プレス技術勉強会」開催した。
弊社では、プレス技術、切削技術、ダイカストの出張勉強会を幾度か
客先のスペースを借り開かせて頂いているが、今回は光関連の技術
の方々を対象としてプレス技術の講習会を開催した。
内容は、主にコストパフォーマンスの高い冷間順送プレスの最新成果
を中心に増肉・偏肉のプレス技術の併用、ファインブランキングへも
話しを進めた。
 今まで光関連の部品は量的に順送プレスの領域に達しなかったが
いよいよここまで需要が拡大してきたかと、長年光部品を追いかけて来
た私は、主催者ながら感慨深かった。
 講習会に先立ち、弊社の最近の「お勧め技術」の多穴フェルール・
異形フェルールに興味が集まった。
2001,
01,30

東京産業交流展
   2000
に、21世紀への
 “原石”が在った。
11月9日、10日に地元の工業会の誘いで、東京産業交流展に
出展した。
 弊社は一般的には“商社”である。誰が見ても“商社である”。
しかし、スタッフの中に共通するのは、我々は“流通商社ではない”
という思いである。が、“商社”である。
出展した商品は、取引のあるメーカーの商品化の時点で、弊社が
関わりをもったり、メーカーの心意気に感動した商品たちである。
中小企業から発生してくる商品の「生い立ち」には、何時も驚かされ
感動する。
彼ら中小企業が、従来の下請け技術の中から商品を生み出し、
商品化の中から「新たな技術を確立する」。
この「新たな技術」が、弊社 栄商金属の商品である。
この新たな技術の「用途開発」が弊社の仕事“開発”である。
作曲家と編曲者、原石のメロディーを編曲で引き立てる。
わが社は、何時も黒子の編曲者。TPOに合った編曲を!
 今回の出展を通じて、多くの作曲家たちと出会うことが出来た
其々の商品たちは注目を浴びて頼もしかった。
其らの製造技術を、どうアレンジするか?どう次の商品にするのか?
これからが、弊社の仕事になる。
2000,
11,12

時計の加工技術が、
ITの基礎部品を
支える。
先週、東北・北関東地区の切削メーカ2社を工場見学した。
それぞれ、NC旋盤・マシニング・研削などをこなすメーカーだが
おのおのメーカーの育ってきた環境の違いを感じた。
一社はOA機器や光学機器の量産技術の中で育ってきたメーカー
一方は時計やOA機器の量産の中で育ってきた会社。
「時計」とともに歩んできた加工技術はすばらしい。
腕時計にはいろいろな技術が活用されている。中でも精密鍛造の
世界は他の世界からは派生しないだろう。
昨年から、IT関連の加工品を取り扱ってきた私にとっては
やっとめぐり合い、やはりこれだと確証をもつ技術の宝庫でした。
2000,
10,21